代表の佐野です。本日は前回の記事に続き、3Dモデリングデータから部材の寸法情報を作成する方法を紹介します!
今回のテーマはホースやコードの長さ。機械設計では、配管や配線に必要な長さを正確に求めることが重要です。3DCADを活用することで、現実的な数値を簡単に取得できる方法をお伝えします。
2D図面での課題
配管や配線の経路を2D図面で描くとき、経路が概ね確認できれば問題ない場合もありますが、現実ではそう単純ではありません。
実際には配管や配線が空中に浮いたり、設置場所によって複雑な経路を取ることがあります。これらを2D図面で表現するのは困難です。
この場合、現実に即した長さを算出するため、経験則をもとに必要な長さに数%の余裕を加えることもあります。しかし、余分な材料を購入するとコストが増加するため、正確な数値を出すことが求められます。
3DCADを活用した精密な寸法計算
3DCADを使用すれば、配管や配線の経路を確認しながら、現実的な長さを求めることが可能です。
曲線経路の設計には、スプライン(例: NURBスプライン)を使用することで、実際の経路に近い形状を作成できます。さらに、3DCADソフトの機能を使えば、曲線の長さを測定し、部材の長さを正確に求められます。
ただし注意点として、実際の取り回しを考慮する必要があります。これらを見落とすと、現場で問題が発生する可能性があります。
- ホースやコードの曲がり半径
- 固定方法によるたわみや負荷
現実に即した寸法設計のポイント
3DCADを使用して長さを検討する際は、部材の物理特性や使用条件を考慮することが重要です。部材の仕様を確認したり、実際の取り回しを実物を触りながら設計することで、より現実に即した寸法を求めることができます。
たとえば、部材の曲がり半径やたわみの許容範囲を実際にモデリングし、検証することで、より現実的な寸法を得ることができます。以下の画像のように曲がり半径の最大値で作った円を使って確認すると言ったことが考えられます。
弊社では、独自で作成したソフトウェアを使い、部材の長さ一覧を作成し、変更があれば速やかに更新することで正確性を維持しています。また、部材の型番変換なども効率的に行っています。
まとめ
今回は、3DCADを活用した配管・配線の設計方法をご紹介しました。デジタルツールを活用することで、設計の自由度が高まり、現実に近いモデリングが可能になります。一方で、物理的な制約や現場のノウハウを組み合わせることで、より精度の高い設計が実現できます。
3DCADを使い、正確なデータ作成と効率的な作業環境の構築を検討してみてはいかがでしょうか?
弊社では、3Dデータを活用した寸法情報の生成や、カスタマイズソフトウェアの開発を承っています。詳細についてはぜひお問い合わせください。