代表の佐野です。弊社では設計業務(設計関連の3Dモデリング)を効率化するために、常にプロセス改善を行っています。今日は、業務プロセスの見直しと改善の方法について考えてみます。
業務プロセスを細かく見ていく
弊社では業務改善を行う際に、作業の自動化、CAD内部で作成する独自のコマンド作成(マクロコマンドとも呼ばれます)、CADと連携したアプリケーションの開発を行っています。
その改善作業をする前に、業務プロセスを細かく見ていくことが大切だと考えています。
業務プロセスを改善するためには、さまざまな手法やフレームワークがあると思います。
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私が最近試している方法はもう少し単純です。まず業務プロセスを細かく見ていきます。
- 関連する業務(依頼を受ける→納品請求)までをすべて洗い出す
- 業務をできる限り細かい単位で分解します。例外なく挙げる(見えにくい詳細部分も含めて)
- ファイル作成、メール作成、アプリ操作など、できる限り細かく
- 流れを俯瞰できるように図や表にして可視化する
実例として、ある3Dモデリングの依頼を受けたときの流れを図にしました。ここではマインドマップを使用していますが、表形式でも良いと思います
(左が改善前、右が改善後の流れ)
改善後が現在の状態で、プロセスの見直しと自動化を進めています。
より詳細な流れを展開すると以下のようになります。全体的には同じボリュームに見えるかもしれませんが、自動化を進めることで人が行う作業が減り、より効率的に業務が進められるようになりました。
改善のステップを踏む
結果的に自動化によって改善しましたが、その前に具体的にどんな改善を行うかも検討します。ここでは私が最近見てハッとしたイーロン・マスク氏の開発の5ステップを参考に見ていきます。(イーロンマスク氏の自伝に書かれている「アルゴリズム」のことです)
ステップを抜粋します。このステップは逆行するとさらに時間がかかるので順番に進めます。
- 要件をアホのままにしないこと。誰しもがアホにするので疑う
- プロセスを削除する。無駄なのを積みたがるので徹底的に減らす
- シンプル化・最適化する
- サイクルを速くやる
- 自動化する
引用: イーロンマスクの「開発の5ステップ」をまとめました - あなたの要件はアホだし、そのプロセスも要らない、すぐ最適化するな。 - Make組ブログ
このステップをもう少し説明を加えてみました。
- 要件を疑う: 意味を持った作業なのかを突き詰める。決まったことはなし崩しにやってしまうものなので、なぜ必要か、意味があるかと疑います
- プロセスを削減する: まずやめてみて業務が回るか試してみる。試して問題ない場合はそのプロセスを削除します
- シンプル化・最適化: もっとシンプルにできないか、最適化できないかを考えます
- サイクルを速くやる: 上記のステップを速く実行し、改善を早めます
- 自動化: 最終的に人が担当しなければさらに速度と安定性が上がる
業務の改善として、行ったステップの実例を挙げて見てみます。
実例:案件で確認する資料の印刷をしている
業務で扱う資料はメールなどでデータを提供いただきますが、関連する資料も多数あります。以前はこれらの資料を印刷して確認していましたが、印刷の時間や管理の手間がかかります。
この問題の改善に上記のステップを適用すると、以下のように進めることができます。
- 「本当に印刷する必要あるの?」「PCの画面上で確認できるのでは?」
- 印刷しないでPCで見るようにする。見るための環境を良くする。(ディスプレイの大型化をして複数資料を並べても見やすい環境にしました。
- 2.の後にどうしても印刷したほうが効率が良いことがあるため、必要最小限の印刷物を追加。(2の追加しなければいけない状態が分かったので必要最小限の印刷だけにした=最適化をした意味合いです
- 印刷作業を早くするために、印刷しやすいファイル形式やフォーマットを用意。(必要なことがわかったものについては早く対処できるように工夫を始める。
- 印刷しやすいファイル形式を自動的に生成させる。(手動をやめて自動化しました。
2と3のステップで試行錯誤することが多いですが、これらのステップを進めることで本当に必要な作業が浮き彫りになります。
この実例はその後完全に自動化され、他の自動化作業の一部としてシステム上で動いています。
まとめ
今回は業務プロセスの効率化を図るために、以下の2つのポイントを見ていきました。
- プロセスの解像度を上げて、業務プロセスを細かく挙げる
- 要件の見直しから始めて、プロセスの削減、シンプル化、最適化、サイクルの速化、自動化を進める
また、今回図式にマインドマップを使って業務プロセスを細かい流れを含めてまとめています。マインドマップで行う良い点としては、業務の細分化を視覚的に見やすくできることです。もう一歩考えたいところはプロセスごとに重みづけができるとよりわかりやすく改善状況が見えると思います。表計算ソフトで重みづけを行うと、どのプロセスが改善の対象として優先されるかがわかりやすくなりますね。
冒頭で少し触れた、効率化のための自動化やアプリ作成についても技術ブログで紹介していこうと思います。
弊社では、製造業向け設計業務の効率化に関するご相談を承っております。業務プロセスの見直しから効率化までのサポート、CADの独自ツールや自動化ツールの開発など、幅広く対応いたします。
業務の効率化をお考えの際は、ぜひお気軽にご相談ください。